プリズム!
「うーん…。でも、それは仕方ないんじゃないかな?普通、知らない人の顔なんて一度見た位じゃ覚えられないし…」
真面目な顔してそんなことを言う夏樹に。
「…え?そう…かな…?」
上目遣いで見上げると、
「そうでしょう」
との自信満々な返答が返って来た。
「今の時点で思い出せなくても、案外目の前にしたら何か感じるかもよ?実際、愛美がその子に『また会いたい』って思う『何か』を感じたんだろうから」
「そう…なのかな…?」
「そうだよ。直感を信じるしかないってね」
そう言って笑顔を向けてくれる友人が、何だかとても眩しく見えた。
その後、二人は何気ない話をしながら電車に揺られていた。
そうして電車がいつものように成蘭高校の最寄駅のホームへと入って行くと、夏樹はさり気なく開く側のドアに背を向けるように立ち位置を変える。
この行動は、夏樹にとって毎日の習慣になりつつあった。
一方の愛美は愛美で、やはりいつものように電車に乗り込んでくる成蘭の生徒達の中に例の彼がいないか、視線を走らせている。
(今日も、成蘭の生徒…一杯だな…)
横目でホームを確認しながら、夏樹は心の中で溜息を吐いた。
そして電車が止まり、多くの乗客が車内へと乗り込んで来た、その時だった。
「あっ!」
小さな声だが、愛美が咄嗟に声を上げた。
真面目な顔してそんなことを言う夏樹に。
「…え?そう…かな…?」
上目遣いで見上げると、
「そうでしょう」
との自信満々な返答が返って来た。
「今の時点で思い出せなくても、案外目の前にしたら何か感じるかもよ?実際、愛美がその子に『また会いたい』って思う『何か』を感じたんだろうから」
「そう…なのかな…?」
「そうだよ。直感を信じるしかないってね」
そう言って笑顔を向けてくれる友人が、何だかとても眩しく見えた。
その後、二人は何気ない話をしながら電車に揺られていた。
そうして電車がいつものように成蘭高校の最寄駅のホームへと入って行くと、夏樹はさり気なく開く側のドアに背を向けるように立ち位置を変える。
この行動は、夏樹にとって毎日の習慣になりつつあった。
一方の愛美は愛美で、やはりいつものように電車に乗り込んでくる成蘭の生徒達の中に例の彼がいないか、視線を走らせている。
(今日も、成蘭の生徒…一杯だな…)
横目でホームを確認しながら、夏樹は心の中で溜息を吐いた。
そして電車が止まり、多くの乗客が車内へと乗り込んで来た、その時だった。
「あっ!」
小さな声だが、愛美が咄嗟に声を上げた。