プリズム!
(イヤな奴に見つかってしまった…)
夏樹は片手で頭を抱えた。
長瀬は『冬樹』時代の元クラスメイトであり、割と仲の良い友人の一人でもある。
雅耶とは中学時代からの親友だったということで、帰る駅も一緒なので部活のない日は三人でよく一緒に帰ったり、夏休みには数人を交えて海へ行ったりもした仲だ。
冬樹が夏樹に戻れた時、雅耶は長瀬にだけは本当のことを教えたらしく、元クラスメイトの中でも自分の正体を知っている唯一の人物でもある。
ちょっぴり強引な所もあるが、明るくて面白い奴で、何処へ行ってもムードメーカー的な存在の男だ。
本当のところは、嫌な奴ではない。
(いや、イイ奴なんだけど…)
面白いものを見つけたとでも言うように、楽しそうな目をしながら近付いて来る長瀬に、ついつい仏頂面になってしまう。
「夏樹ちゃーん、おひさだねぇ。成桜の制服姿初めて見ちゃった♪俺様ラッキー!!」
相変わらず軽いノリだ。
「…長瀬…お前、相変わらずだな…」
つい…長瀬を前に『冬樹』だった頃の自分が出てしまい、思いのほか低い声が出て、夏樹は慌てて横にいる愛美に視線を向けた。
だが、愛美はそこを気にしている様子はなく、ただただ驚きの表情で傍へと歩み寄ってくる長瀬を見つめている。
夏樹は片手で頭を抱えた。
長瀬は『冬樹』時代の元クラスメイトであり、割と仲の良い友人の一人でもある。
雅耶とは中学時代からの親友だったということで、帰る駅も一緒なので部活のない日は三人でよく一緒に帰ったり、夏休みには数人を交えて海へ行ったりもした仲だ。
冬樹が夏樹に戻れた時、雅耶は長瀬にだけは本当のことを教えたらしく、元クラスメイトの中でも自分の正体を知っている唯一の人物でもある。
ちょっぴり強引な所もあるが、明るくて面白い奴で、何処へ行ってもムードメーカー的な存在の男だ。
本当のところは、嫌な奴ではない。
(いや、イイ奴なんだけど…)
面白いものを見つけたとでも言うように、楽しそうな目をしながら近付いて来る長瀬に、ついつい仏頂面になってしまう。
「夏樹ちゃーん、おひさだねぇ。成桜の制服姿初めて見ちゃった♪俺様ラッキー!!」
相変わらず軽いノリだ。
「…長瀬…お前、相変わらずだな…」
つい…長瀬を前に『冬樹』だった頃の自分が出てしまい、思いのほか低い声が出て、夏樹は慌てて横にいる愛美に視線を向けた。
だが、愛美はそこを気にしている様子はなく、ただただ驚きの表情で傍へと歩み寄ってくる長瀬を見つめている。