プリズム!
「うん。まぁ…そうなんだけどさ。あいつ忙しそうだし…。バイトも前みたいに毎日のようには入ってないみたいでさ…」

「ふーん…」

「まぁ…それでも、電話では話したりしてるんだけどさ」


思いのほか元気がなくなってしまった雅耶に。

(…もしかして、地雷踏んじゃったかな?そういやぁ…最近、あんまり夏樹ちゃんの話とか出てなかったしな…)

この落ち込みようは、入学時に『冬樹チャン』に冷たくあしらわれていた時以来かも知れない。

(よっし!ここは親友として良いニュースを提供せねばっ!)

自分の席へと行ってしまった雅耶の淋しげな背中を眺めながら、長瀬は意を決した。

自分の席に荷物だけを置くと、既に席に着いて頬杖をついている雅耶へと再び近付いて行った。


「元気だしなよ、雅耶チャンー。長瀬クンが、素敵な情報を教えてあげるからさ♪」

すると、雅耶はチラリと視線だけで見上げてくる。

「…何だよ?情報って…」

「あのね…。実は…」


長瀬は、昨日別れ際に夏樹から聞いた、週末の学園祭に夏樹が友人達と遊びに来るというニュースを、雅耶に耳打ちするのだった。

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