プリズム!
(別に、自分には関係ないだろ…)
懐かしい先輩・後輩が久し振りに会って、話が盛り上がるのは当然のことと思う。
自分が知らない八年間。
その間に雅耶が出会った人々との繋がりに、自分が何かを想うこと自体が間違っているのだ。
(元気そうな雅耶の顔が見れただけ、今日は良かった…と思わないとな…)
最後の一口をスプーンにすくったまま、思わず手を止めてしまっていたことに気付いた夏樹は、小さく一呼吸すると、それをゆっくりと口に運んだ。
「………」
仁志は、洗い物を片付けながら、目の前で黙々と食事をする夏樹を眺めていた。
一見、普段と変わらぬ穏やかな表情をしているが、一人でカウンターの端に座っているその姿そのものが何処か寂しげに見えてしまうのは、仕方のないことだろうと思う。
(幼馴染みの彼は…雅耶くん、といったか…?)
あの子が店に顔を出す時は、基本的にこの子に会いに来る時だ。
この子がまだ少年の『冬樹くん』だった時から、それは解りやすい程に…。
(なのに、今日は美人の先輩に掴まっちゃって、この子を一人にして…。良いのか?それで…)
仁志は、一人心の中で溜息を吐いた。
(直純も直純だ。いつもなら、こういう場面で気に掛けてやれる奴なのに…)
…とは言っても、自分には何ら関係のないことなのだが。
自分は特別に夏樹に肩入れしているとか、心配しているとか、そういうつもりは毛頭ない。
だが、この『絵』は、あまりにも不憫だと思ったのだ。
懐かしい先輩・後輩が久し振りに会って、話が盛り上がるのは当然のことと思う。
自分が知らない八年間。
その間に雅耶が出会った人々との繋がりに、自分が何かを想うこと自体が間違っているのだ。
(元気そうな雅耶の顔が見れただけ、今日は良かった…と思わないとな…)
最後の一口をスプーンにすくったまま、思わず手を止めてしまっていたことに気付いた夏樹は、小さく一呼吸すると、それをゆっくりと口に運んだ。
「………」
仁志は、洗い物を片付けながら、目の前で黙々と食事をする夏樹を眺めていた。
一見、普段と変わらぬ穏やかな表情をしているが、一人でカウンターの端に座っているその姿そのものが何処か寂しげに見えてしまうのは、仕方のないことだろうと思う。
(幼馴染みの彼は…雅耶くん、といったか…?)
あの子が店に顔を出す時は、基本的にこの子に会いに来る時だ。
この子がまだ少年の『冬樹くん』だった時から、それは解りやすい程に…。
(なのに、今日は美人の先輩に掴まっちゃって、この子を一人にして…。良いのか?それで…)
仁志は、一人心の中で溜息を吐いた。
(直純も直純だ。いつもなら、こういう場面で気に掛けてやれる奴なのに…)
…とは言っても、自分には何ら関係のないことなのだが。
自分は特別に夏樹に肩入れしているとか、心配しているとか、そういうつもりは毛頭ない。
だが、この『絵』は、あまりにも不憫だと思ったのだ。