プリズム!
「ご馳走さまでした。それじゃあ…お先に失礼します」
夏樹は手を合わせた後、立ち上がって食器を下げると、目の前にいる仁志に一礼をした。
しっかり鞄も手にして帰る準備万端の夏樹に、流石に慌てた雅耶は立ち上がった。
「待てよ、夏樹っ。俺も帰るよっ」
だが、その時。
「あら?もう、こんな時間なのね?ついつい楽しくて話し込んじゃったわ。私も帰らないと」
薫も雅耶に寄り添うように立ち上がった。
(どうして、こうなるかな…)
ネオンが煌めく夜の町と化した、賑やかな駅前裏通り。
いつもと変わらぬ景色ではあるが、今日は何故かそこを三人で並んで歩いていた。
とは言っても、人通りが多いので三人が横並びで歩くことは難しく、自然と会話が続いている二人が並び、夏樹は一人少し前を歩く形になっていたのだが。
「…えっ?それじゃあ二人は幼馴染みなの?やだ、そんな繋がりがあったなんて気付かなかったわ。だって、二人ともお店では素知らぬ顔してるんだもの。気付かなくて、ごめんなさいね」
「いえ、謝られる程のことでは…」
雑踏の中でも、後方からは二人の会話が聞こえてくる。
(…こんなんだったら、一人の方が気が楽なんだけどな…)
こちらを気にしている雅耶の視線を感じつつ、気付かない振りをして前を歩く。
(別に、自分なんかに気を使わなくて良いのに…。ま、それが雅耶の良い所…なんだろうけど…)
夏樹は気付かれぬ程に、小さく溜息を吐いた。
夏樹は手を合わせた後、立ち上がって食器を下げると、目の前にいる仁志に一礼をした。
しっかり鞄も手にして帰る準備万端の夏樹に、流石に慌てた雅耶は立ち上がった。
「待てよ、夏樹っ。俺も帰るよっ」
だが、その時。
「あら?もう、こんな時間なのね?ついつい楽しくて話し込んじゃったわ。私も帰らないと」
薫も雅耶に寄り添うように立ち上がった。
(どうして、こうなるかな…)
ネオンが煌めく夜の町と化した、賑やかな駅前裏通り。
いつもと変わらぬ景色ではあるが、今日は何故かそこを三人で並んで歩いていた。
とは言っても、人通りが多いので三人が横並びで歩くことは難しく、自然と会話が続いている二人が並び、夏樹は一人少し前を歩く形になっていたのだが。
「…えっ?それじゃあ二人は幼馴染みなの?やだ、そんな繋がりがあったなんて気付かなかったわ。だって、二人ともお店では素知らぬ顔してるんだもの。気付かなくて、ごめんなさいね」
「いえ、謝られる程のことでは…」
雑踏の中でも、後方からは二人の会話が聞こえてくる。
(…こんなんだったら、一人の方が気が楽なんだけどな…)
こちらを気にしている雅耶の視線を感じつつ、気付かない振りをして前を歩く。
(別に、自分なんかに気を使わなくて良いのに…。ま、それが雅耶の良い所…なんだろうけど…)
夏樹は気付かれぬ程に、小さく溜息を吐いた。