プリズム!
週末。土曜日。
今日は、皆が楽しみにしていた成蘭高等学校の学園祭当日である。
夏樹は一人電車に揺られながら、車窓を流れる街並みを眺めていた。
皆とは成蘭高校の最寄駅の改札前に集合する約束になっている。
特に張り切っているつもりはないのだが、余裕を持って少し早めに出て来てしまったので、この分だと待ち合わせの時間より幾らか前に到着してしまいそうだ。
携帯で時間を確認した後、不意に窓ガラスに映る自分の姿に目が行って、夏樹は小さく溜息を吐いた。
(清香先生には悪いけど…。やっぱり、この格好は止めとけば良かったかな…)
女の子らしいフリルたっぷりのシフォンワンピに、カジュアルなジャケット。そして、ショートブーツ。
ジャケットは自分の物だが、バリバリ女の子全開のワンピースは、清香からの借り物だ。
『デザインが可愛すぎちゃって、最近は全然着てないの。良かったら夏樹ちゃんにあげるわ。是非コレ来て学園祭に来てね♪』
そう言って、昨夜清香が家まで届けに来てくれた物だ。
(…確かに可愛いよ。ワンピースは可愛いんだけど…)
どうしても、自分には不釣り合いな気がしてならなかった。
だが、自分の持っている服では、女の子らしさの欠片もない物ばかりなので、それでは冬樹の時と何も変わらなくなってしまうのだ。
今日は、皆が楽しみにしていた成蘭高等学校の学園祭当日である。
夏樹は一人電車に揺られながら、車窓を流れる街並みを眺めていた。
皆とは成蘭高校の最寄駅の改札前に集合する約束になっている。
特に張り切っているつもりはないのだが、余裕を持って少し早めに出て来てしまったので、この分だと待ち合わせの時間より幾らか前に到着してしまいそうだ。
携帯で時間を確認した後、不意に窓ガラスに映る自分の姿に目が行って、夏樹は小さく溜息を吐いた。
(清香先生には悪いけど…。やっぱり、この格好は止めとけば良かったかな…)
女の子らしいフリルたっぷりのシフォンワンピに、カジュアルなジャケット。そして、ショートブーツ。
ジャケットは自分の物だが、バリバリ女の子全開のワンピースは、清香からの借り物だ。
『デザインが可愛すぎちゃって、最近は全然着てないの。良かったら夏樹ちゃんにあげるわ。是非コレ来て学園祭に来てね♪』
そう言って、昨夜清香が家まで届けに来てくれた物だ。
(…確かに可愛いよ。ワンピースは可愛いんだけど…)
どうしても、自分には不釣り合いな気がしてならなかった。
だが、自分の持っている服では、女の子らしさの欠片もない物ばかりなので、それでは冬樹の時と何も変わらなくなってしまうのだ。