プリズム!
成蘭高校へと辿り着くと、校門前には装飾された学園祭の大きな看板が(かか)げられてあり、生徒や一般客が入り混じり、多くの人々で賑わっていた。

校門から校舎へと続く並木道には、沢山の出店が連なっていて、まだ始まって間もない時間だというのに大変な盛況振りだ。

「スゴイ盛り上がってるねっ。お店が沢山っ」

「何かイイにおいするーっ♪」

「まず、どこから行くー?」

三人のテンションも上がっていく中、その懐かしい門の前で夏樹は一人立ち止まると、そこから見える風景を眺めた。


(懐かしいな…。そんなに前のことじゃないのに、ここに毎日通ってたのが随分昔のことみたいだ…)


門の前に(たたず)み、(まぶ)しそうに学校を眺めている夏樹の横を一筋の風が通り過ぎる。

ふわふわとワンピースの裾をなびかせて佇む、その一人の美しい少女の姿は周囲の者の目を惹いた。


そこだけ一瞬時が止まったかのように皆が思わず注目する中、大声を上げてその少女に歩み寄ってくる成蘭の生徒が一人。


「夏樹ちゃーーんっ!おっはよーっ♪」

「…長瀬…」


そこには、チラシを門前で配っていたらしい長瀬がいた。

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