プリズム!
そこは、暖かい日差しが降り注ぐ中庭だった。
もう空気は割と冷たい季節ではあるが、陽が当たる分、特別寒さを感じることはない。
休憩所として解放されているそこのベンチに夏樹と愛美は二人並んで座ると、少し休むことにした。
「さすがだねっ。夏樹ちゃんといれば、成蘭で迷うことはないね」
愛美が無邪気に笑って言った。
「うん、まあ…そうだね」
夏樹は微笑むと、中庭を囲むように建てられている校舎を見上げて目を細めた。
この場所は、ある意味校内から丸見えの場所でもある。
だが、他にも沢山の一般客がいるし特に問題はないだろう。
校内を歩いていても、人が多い分誰も特に自分に気付く様子はなかったので、夏樹は内心でホッとしていた。
(流石に、一年の棟へは行きづらいけどな…)
今日は、何だかんだと一年生の教室や模擬店などの方へは行っていない。
元クラスメイト達に会いたくない訳ではない。
勿論、どんな出し物をしているのかも気になるし、皆の今の様子を見てみたい気持ちはある。
だけど…。
もしも誰かに声を掛けられてしまったら、上手く笑顔でかわせる自信もない気がした。
もう空気は割と冷たい季節ではあるが、陽が当たる分、特別寒さを感じることはない。
休憩所として解放されているそこのベンチに夏樹と愛美は二人並んで座ると、少し休むことにした。
「さすがだねっ。夏樹ちゃんといれば、成蘭で迷うことはないね」
愛美が無邪気に笑って言った。
「うん、まあ…そうだね」
夏樹は微笑むと、中庭を囲むように建てられている校舎を見上げて目を細めた。
この場所は、ある意味校内から丸見えの場所でもある。
だが、他にも沢山の一般客がいるし特に問題はないだろう。
校内を歩いていても、人が多い分誰も特に自分に気付く様子はなかったので、夏樹は内心でホッとしていた。
(流石に、一年の棟へは行きづらいけどな…)
今日は、何だかんだと一年生の教室や模擬店などの方へは行っていない。
元クラスメイト達に会いたくない訳ではない。
勿論、どんな出し物をしているのかも気になるし、皆の今の様子を見てみたい気持ちはある。
だけど…。
もしも誰かに声を掛けられてしまったら、上手く笑顔でかわせる自信もない気がした。