姉妹ものがたり


「まあ…ぼくの所はそんなに偏差値も高くないし、どっちかって言うと成績よりも部活動とか、ボランティア活動とか、そういうの重視してるみたいだから。よっぽどの事がない限りは大丈夫だと思うけど」

「あーおれ、ボランティアとかしたことないんですよね。皐月のやつは、しょっちゅう参加してるみたいですけど」


何気なくそう呟いて、周りを見回していた視線を戻すと、ジッとこちらを見つめる木田と目があった。


「ちなみに、部活は何やってる?」

「もちろん帰宅部です。部活動は強制じゃないんで、どうせなら放課後はめいっぱい遊びたいじゃないですか!皐月のやつは、テニスやってるみたいですけど」


夏はこんがり日に焼けて鼻の皮がズルむけている皐月を思い浮かべて、こみ上げてきた笑いを咬み殺す。


「生徒会活動とかは?」

「めんどくさいですよねー進んでやるやつの気がしれないです。あっ、でも皐月は確か…副会長やってたかな」


中身の少なくなったカップを傾けて、ズコーっと盛大な音を立ててストローで啜る。
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