ラブリング
出会い
私、山口まお。
何も無い、穏和な生活をしている会社員。
彼氏がいて、仕事も順調。
笑ったり、泣いたり、怒ったり…
そんなごく普通の生活だった。

陸と出会う迄は…

プルルル
「はい、○○株式会社です」
「社長一番にお電話です」

「まおさん、これ御願い」
「解りました」
PCを打ち込む。
カチャカチャ…
「山口さんちょっと…」
社長からの呼び出し。
「はい、何でしょうか?」
「明日から新入社員が入るんだ」
「こんな時期にですか?」
「う~ん、仕事が忙しくなったからね…途中採用したんだ」
「そうですか」
「そこで、頼みなんだが…新入社員の指導御願い出来るかなぁ?」
「私がですか?」
「誰にしようか悩んだんだがね…御願い出来ないだろうか?」
「解りました…私に指導出来るか解りませんが…」
「そうか!やってくれるか!明日から来るから宜しく頼むよ!」
「はぁ…」
自分のデスクに戻る。
隣りの席の鈴木さんに
「どうした?浮かない顔して」
「新人指導任されたんです…」
「山口さんなら出来るよ(笑)」
「又、そんな無責任な事言わないで下さいよ…」
「サポートするからさ!」
「御願いしますよ(笑)」
(はぁ…私に指導何か出来るのかしら?…どんな子が来るのかしら)
等と思っていた。
翌日、
「おはようございます」
「おはよう」
いつもの挨拶を交わしてデスクに座る。
社長が
「山口さん」
「はい?」
一人の男性を連れて私の方に来た。
「彼が新人の田中君だ」
「田中陸です」
と言って頭を下げる。
「山口まおです。宜しく」
「田中君の指導頼むよ」
「はい」
彼は、私の目の前の席に座った。
(大人しい子ね…)
それが私の第一印象でした。
「じゃ田中君これ御願い。これとこれチェックして」
と用紙を渡す。
「はぃ…」
(暗いな…話ずらい…)

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