ラブリング
そう思った私。
社長や他の社員が外回りしに、社内からいなくなる。
私は、陸と二人きり…
無言のまま時間が過ぎていく。
流石に私が耐えられず
「田中君って大人しいよね?(笑)」
と話し掛けた。
「そうですか…?」
「うんうん!大人っぽいかなぁ?私よりしっかりしてる感じよね(笑)」
「はぁ…」
「田中君って幾つ?23歳かしら?」「…もうすぐ19歳になります…」
「19歳!?」
「老けてみえますか…」
「あっ…いや…大人っぽいから…23歳位に見えちゃって…ごめん」
慌てた私。
(コイツ19歳!?私より8歳も年下な訳!?あ~話合わないよ…どうしようかなぁ…23歳何て言っちゃった…)
陸は、19歳には見えないしっかりした…大人びた印象だった。
「あ~…えっと…田中君は兄弟とかいるのかなぁ?」
話を変えた。何とかコミュニケーションを取ろうとした。
「兄が二人います…」
「え!男三人兄弟なの!?」
「はい…」
「凄い!」
「そうですか?」
(んもぅ何なの!?こっちが気を使ってるのに!)
「私の周りに男三人兄弟何ていないから珍しくて(笑)」
「はぁ…」
「田中君は末っ子?」
「そうですけど…」
「そっかぁ、あ…か…彼女とかは?いるんでしょ?(笑)」
「いませんけど」
「何時から?」
「ずっと…」
「え?今迄一度も付き合った事ないの!?」
「ありませんけど…悪いですか?」
「いや…悪くないです…」
気まずい雰囲気が漂う。
(コイツ女の子と付き合った事無い、男三人兄弟って事は…女と会話慣れしてないからこんな素っ気ないのかしら?)
「田中君って彼女いそうなのに(笑)」
「何を根拠に…?」
「え…と…モテそうな感じだからさ!」
「モテませんから…」
「そ、そうなんだ…」
会話が止まる。
(何か話題…無言のままコイツと二人きりで仕事何か無理!)
「あ、田中君この辺に住んでるの?」
「はぃ…」
「私もこの辺なのよ。何処中(学校)だった?」
「五中です…」
「え!私も同じ中学よ!私の後輩じゃない!」
やっと小さな共通点が見付かったと思った。
が…
「だいぶ、後輩ですけど…」
「そ、そうね…」
(悪かったわね!アンタより8歳年上よ!)
口には出さなかったが
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