君はオオカミくん
「でも、こういう時は助けを呼ぶんだよ?でも僕が置いていったわけだしごめんね」
「う、うん…」
笑っていた時田くんがいつもより真面目に見えたのは気のせいかな……心配してくれたのかもしれない。
ちょっと、ほんのちょっとだけど嬉しい。
「じゃあ行こっか。カフェ」
そう言ってさりげなく出された手に躊躇する私。
男の子慣れをしてないためなんだか恥ずかしい…
「あれ?繋がないの?リードだよ、リード」
無理矢理手を取って歩き出す時田くん。
やばい、なんかデートみたい……なんてバカな考えがよぎった時「はぁ~~い、ゴリラとお散歩♪」とか言い出したので現実に引き戻された。