愛言葉ー溺愛ー
「いい匂い⋯ですね。」
そう言ってキッチンに背の高い、穏やかそうな男性が入ってきた。
「あっ、刹兄!おはようっ。」
刹兄と呼ばれる長身男性はにっこりと微笑んで彩芭の頭を撫でる。
「おはようございます、彩芭。ところでこのいい匂いはなんですか?」
「ん?それは祭莉が作った紅茶じゃないかなっ?」
蜜芭がいつもは見せない子供らしい笑顔で刹兄と呼ばれる長身男性に抱きついている。
「ほぅ。紅茶ですか。目覚めに丁度いいですね。お嬢さん、俺にもくれるかな?」
「あ、はいっ。⋯どうぞ。」
カップに紅茶を注ぎ、差し出した。