愛言葉ー溺愛ー
「ありがとうございます。」
そう言って、紅茶を飲むと、美味しい、と絶賛してくれた。
「そうだ、もうすぐ闇市が開かれる頃ですから⋯お家に帰った方がいいですよ。貴女、人間でしょう?さらに危険だ。送っていきます。あ、申し遅れましたね。俺は鈴懸刹那(スズカケセツナ)って言います。」
そう言って刹那が穏やかかつ、優美に微笑む。
「もうそんな時間か⋯いいよ、刹兄。俺が送ってくよっ」
祭莉より先に彩芭が断りながら3人で玄関の方に歩いていく。
「いいんです。紅茶のお礼です。彩芭はお留守番、出来ますね?」
大好きな兄には逆らえないのかしぶしぶ承諾する彩芭。
「いい子ですね。じゃあ、行きましょうか。」