愛言葉ー溺愛ー
助けに行こうと、踏み出すと刹那に止められてしまった。
「ダメです。お嬢さん。もう、助かりません⋯」
「え⋯っ?」
刹那の言葉を理解できないままでいると、黒いケープを纏った闇ノ住人らしき人が女性へと近づく。
「やっと見つけた。商品が逃げ出しやがって!おら、来い!!」
腕を力いっぱいに踏み付ける闇ノ住人。骨が折れる太い音がして、女性が悲鳴を上げる。そしてグイッと強引に髪を引っ張られ、立ても歩けもできない女性はただ悲鳴を上げながら引きずられていった。
「いや⋯っ!いやぁっ!」
その光景があまりにも酷すぎて目を瞑って声を上げる。
「落ち着いて下さいっ。貴女は大丈夫です。私が守りますから⋯!」
びくびくと怯え、震えている祭莉を抱き上げ裏路地へ歩く。
「落ち着いて。」