愛言葉ー溺愛ー
ゆめを見た。淡い淡い夢。小さい頃の記憶が夢となってもう一度祭莉に呼びかける。
昔からよく知らない人につけられていた。その度にお父さんに助けてもらっていた。
けれど今回はそうもいかなかった。ある日、お父さんの友達の家で遊んでいた時。祭莉はふわふわと飛ぶ蝶々を追いかけていた。気付くと一緒に遊んでいた子供はいなく、一人になってしまった。
そして事件が起こる。
いつもつけていた人が祭莉を捕まえた。小さな子供の祭莉はただ泣き叫ぶことしかできなかった。車に連れ込まれそうになった時、あの人が助けに来てくれて、無事だった。
そして彼がこう告げた。
『嫌な事全部やっつけて絶対に僕が助けてあげるっ。だからその時まで待ってて?これはお守り。スターチスの花だよ。』
『花言葉は────。』
その後からは全くといっていいほどつけられることはなくなった。
あの日までは───────────