愛言葉ー溺愛ー
私があの部屋に入らなければ、みんながこんな苦しい顔しないですんだのに。なのに皆は、私を守ってくれたの⋯?優しくしてくれるの⋯?
少し微笑んでみせる。
「りんっ⋯⋯。」
幾夢がいまにも泣いてしまいそうなくらいに掠れた声で言う。
「祭莉ちゃん⋯⋯」
叶夢がそっと頭を撫でる。
「祭莉、しっかりしろ。ホントの祭莉はそんなんじゃないだろ?自分を責めるな⋯」
朔夜が頭をぽんぽんと撫でる。幾夢は手をいつまでも強く握りしめてくれた。皆の優しさが痛いくらいに伝わってくる。
「ごめんなさい・・・」
その一言は「あの人」に対する懺悔でもあり、みんなを忘れていた悲しみだった。
その一言がいつまでも部屋の中に響いた。