愛言葉ー溺愛ー


しばらくしてみんなが祭莉の傍に集まる。祭莉はベッドに座ったまま、心を奪われたように、人形のように何も映していないその瞳でただ空虚を見つめていた


「りん頼む⋯っ。壊れないでくれっ⋯!お前だけは⋯っ!!嫌だっ」



幾夢がぎゅっと優しく包み込む。言葉は泣きそうなくらいに震えていた。


⋯ごめんなさい、幾夢さん。みんな。泣かないで⋯ください。今すぐ笑って安心させてあげたいのに。笑顔になってほしいのに。でも、体が、心が動かないの⋯私はいつまでも弱い⋯ままなの⋯。


幾夢の優しさに甘えるように目を閉じる。


『祭莉。祭莉、私の可愛い妹。さぁ、私の元へおいで』


目を閉じると聞き覚えのある優しい声が、祭莉を呼ぶ声が頭の中に響く。それに反応するように、さっきまで動かなかった体が何かに惹かれるように歩き出す。
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