愛言葉ー溺愛ー
「それでは。妹も戻ってきたことですし、行きましょうか。」
神楽がそう言うと祭莉を連れた三人は月に向かった。追いかけようとするも、この家に、いつのまにか特殊な暗示がかけられており、吸血鬼としての能力を発揮することが出来ず、ただ離れていく祭莉を見ることしか出来なかった。
「クソっ!」
ダンッと壁に拳を力任せにぶつける朔夜。
部屋には重くピリピリとした空気が充満していた。
────あぁ。愛しい人。絶対に迎えに行くから。また助けるから。