愛言葉ー溺愛ー
「妖狐に捕まった後⋯散々こき使われて、ボロボロになって2人、道端で倒れてた。特に容姿が良い神楽が酷かったんだ。そしたら月の創始者でもあり、長(オサ)のフェリル様っていう人が俺らを助けてくれたんだ。」
真剣で、どこか懐かしむような表情を見せる。
「それから、妖狐になるまではそう長くなかった。フェリル様が妖狐にならないかって、一緒に月を守らないかって。」
「勿論人間界へ戻る選択もありました。でも、私は⋯私達はフェリル様の元で仕える道を選んだのです。それだけ、フェリル様は私達を守ってくれました。それだけ⋯救ってくれました。」
目元を潤わせながら、強く言い切る。
「それで、どうやって妖狐になったかっつーとぉ⋯うーん。簡単に言うと、血を体ん中に入れたんだ。」
さっきから驚きの連鎖。考える暇もなく、耳に入る言葉。