愛言葉ー溺愛ー
「何言ってんだ?渡す気はねぇよ。」
遊鳥が低い声でそう言う。動かないもののお互いが静かに睨み合う。
『Halt!!』
しんと静まり返った部屋にどこか気高く威厳のある声が響き渡る。
「この声⋯!」
琥珀が目を見開く。この声を聞いたことがあるようだ。
「コハクも気付いたか。」
遊鳥や神楽もこの声を聞いたことがあるのか、あまりいい顔をしない。
「神楽兄様、この声は⋯?」
たずねてみると、神楽ではなく、あの声が答えてくれた。
「私はラファリエート。ラファリエート・リンヴァーテンだよ。」