愛言葉ー溺愛ー
「え⋯?それじゃあ、叶夢さんは叶夢さんじゃないってことですか?」
すると困ったように眉を八の字にする。
「うーん。そういう訳じゃないんだ。そう!名前が二つあるの!」
指を二本立てながら、叶夢が喋る。
「⋯地上世界での名前と、地下世界での名前ね。」
はぁ、と溜息をつきながら汐遠が教える。
「じゃあ、自己しょーかいしよ〜ぜ〜!前の名字とかちげぇし。どーせ、更屋敷のやつらも名前あんだろー?」
名案だ、と指をパチンッと鳴らす幾夢。
「まぁ、そうですね⋯と言ってもそんな変わらない気がしますが。」