愛言葉ー溺愛ー

「ははっ。座りたまえ。」


そう言うと、シグレが空いている席へと案内する。そこで初めて席が余分にあった理由がわかった。


そして、彩芭が口を開いた。


「あのね、祭莉ちゃん急にこんなこと言われて戸惑うと思うけど⋯聞いて欲しい。⋯あのね。僕達は君を苦しめた悪魔なの⋯君のお母さんを殺した⋯闇ノ住人なの⋯」


彩芭が苦しそうに喋りだす。


「え⋯!?う、嘘ですよね⋯?嘘って言ってください⋯!」



予想外の言葉に取り乱す祭莉に対して無言の彩芭。



「なん、で⋯?」


「それは⋯『祭莉』」


彩芭が話し出そうとした時、神楽の凛とした声が遮った。

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