愛言葉ｰ溺愛ｰ

そうそう。と笑って後ろをついてくる叶夢。祭莉は何も言えず、そのまま一緒に入ることとなった。



｢あまり見ないでください⋯。｣



顔を赤くして、そっぽを向く彼女はとても愛らしく、彼らの悪戯心を擽るのには丁度いいものだった。


｢ふふっ。祭莉⋯？こっちを見て⋯？｣


｢春叶さん⋯？｣


いつも｢祭莉ちゃん｣と呼ぶはずなのに今日は何処がか違う。他の人を見てもどこかいつもと違う雰囲気だ。


大きな窓からとても大きくて綺麗なまんまるの満月が見えた気がした。


｢⋯みんな？｣


いつも綺麗な皆の瞳は紅く染まり、じっと、こちらを見てる。まるで、大好物の獲物を捕らえてるかのように。