愛言葉ー溺愛ー
「もう、我慢出来ない⋯」



カプッという音と共に春叶の牙が胸元に埋れる。



「あぁっ!ずりぃっ。じゃあ、俺もっ。」



春叶に連れて、幾夢も手に牙を埋める。他の捕食者も肌に牙を埋め、吸血する。牙の痛みは殆ど無くチクッとするだけだった。


「う⋯⋯やめっ⋯!」


意識が朦朧とし始めた頃、誰かが勢いよく浴室のドアを開けた。


「こらぁっ!このヘンタイ吸血鬼どもめ!祭莉が死んじゃうだろっ!?少しは我慢しろっ!」


声のする方に目を向けると蜂蜜色の髪に檸檬色の瞳。いつもの穏やかな性格に似つかわしくないほどに怒っている彼は、ずんずんとこちらへ寄ってくる。

彼が現れたことにより、やっと牙から解放される。


「⋯彩芭く、ん」
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