愛言葉ー溺愛ー
二人がほぼ同時に喋る。


「一人じゃなかったんだ⋯。」


気が緩み、また涙が溢れ出る。
誰かが居てくれてるだけでこんなに嬉しくて安心するなんて思ってもなかった。

風邪をひくと心も弱るのは本当らしい。



「ちょっ。なんで泣いてんの!?訳わかんないんだけど!」


そう言いながらも少し乱暴に涙を拭ってくれる祐。彼の精一杯の優しさだろう。


「ごめんなさい。でも、嬉しくて⋯ずっと独りだと思ってたから⋯」


「そっか。もう大丈夫だよ。俺らがいるし、ここの人達、家族もいるだろ?怖がることはなにもないよ」


小さな子供をあやす様に頭を撫でながら優しく彩芭が言う。


「うん⋯!」


元気を取り戻した祭莉が少し幼い笑顔を見せた。


「なーに、勝手に人ん家に入って家族口説いてんの?」

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