愛言葉ー溺愛ー

突然の声。声のする方を見るとそこには少しピリピリとした朔夜がドア付近の壁に寄りかかっている。


「やだなぁ。口説いてる訳じゃないよ。看病しに来たの。」


にっこりと笑って返す彩芭からはどこか黒いオーラが放たれている。


「ふーん。」


質問したのにも関わらず、あまり興味が無さそうに気持ちもなにもこもっていない返事をしながら祭莉の方へ歩いてくる。


「はぁ。じゃ、俺らはそろそろ帰るよ。ばいばい、祭莉ちゃん。」


「⋯じゃあ。」


「うん。ばいばい。ありがとう」


朔夜と入れ代わり立ち代わり、ドアの方に行く二人にお礼を言いながら手を振る。

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