愛言葉ー溺愛ー
「や、ぁ⋯」
「ちょっと⋯こんなとこで何やってんのさ。」
吸われてから少しして教科書を抱て歩いてきた汐遠がこちらを見て呆れている
「あ⋯汐、遠さん⋯⋯」
力が抜け、支えてくれてやっと立っている状態の中、やっとの思いで汐遠の名を呼ぶ。助けてくれるという期待を込めて。
「汐遠、授業はどうしたんだ?たしか、考古学⋯」
口元についた少量の血を拭いながら少し微笑んで朔夜が言う。
「ん?めんどくさかったから抜けてきた。だって話、長いんだもん」