名前のない物語





『ぼくが、こわいの?』




青年の問い掛けに、彼女はこくりと頷きます。


青年は哀しそうな顔をしました。


しかし彼女にはどうすることもできません。


彼女が彼を怖いことは事実なのです。


しかし彼があまりに哀しそうな顔をするので、彼女は彼に向かって言いました。




『あなたもわたしをうそつきとよぶのでしょう?』




すると彼は驚いたように目を見開きました。





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