名前のない物語





ある頃から彼女の傍にはだんだんと大きな風船が二つできてきました。



いつか割れてしまいそうなほど大きなその風船に彼女は《恐怖》と《不安》という名前をつけました。


それはとても仲良くいつもぴたりとくっついています。



そしてどこにいくこともなく彼女の傍に居続けました。





< 4 / 20 >

この作品をシェア

pagetop