名前のない物語





二つの風船は日に日に大きくなっていつしか彼女の体を覆い尽くしてしまいました。


彼女はそこから出ることができません。



ついに彼女はその二つの風船に体を預けたまま深い深い眠りにつきました。


何年もの間、彼女が目覚めることはありませんでした。




(みんながわたしをわすれてくれてらいいのに)




そうこころで思いながら彼女は眠り続けました。





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