運命の扉
「今朝、部活終わってからクラス発表見たら嬉しかった!井上さんと同じクラスになれたから。」
そんな前から、あたしのこと知ってたんだ。とにかくビックリ。
「学級委員、推薦したのも早く仲良くなりたかったからなんだ。」
「ビックリした。急に推薦されたから。」
「ごめん!」
「ううん。」
少し、真中くんに魅力を感じた。好きとかそんな意味じゃなくて、素敵な人柄だなって。
「井上さん、俺と友達になってくれる?」
さっきまでニコニコしてたのに、急に不安そうな顔をした。
「…もうお友達だよね、あたしたち。」
「本当に!?」
コロコロ変わる表情。
「うん。よろしくね。」
「よろしくー!!」
犬が尻尾を振って喜ぶみたいに、あたしの手を握って上下に揺らした。
「なんて呼べばいい?!」
「真帆でいいよ。」
「真帆!ね。俺のことは敬ちゃんって読んで!」
「うん。わかった。」