運命の扉
学校に着き、校門をくぐると桜の花びらが降り注いだ。3年生の昇降口の前は賑やか。どうやっても掲示が見れない。
「真帆!」
三人で立ち尽くしてると、目の前から女の子が人込みを潜り抜けてやってきた。
「美佳!」
「おっはよーん!あっ、悠人おはっ!」
「村上、おはよ。」
彼女の名前は村上美佳。入学してから同じクラスで、属に言う仲良しグループの一人。
「汐里もおはよう!」
「美佳ちゃん、おはよう。」
「ねっ、ねっ、クラス発表見たー?」
この子はいつも朝からテンションが高い。
「今、来たとこなの。」
汐里が答えた。
「美佳はもう見たの?」
あたしは汐里に続いて美佳に質問を投げかける。
「もちー!気になる?気になるー!?」
「俺、知りたい。」
「わたしも!」
「うんとね、汐里がAクラス。真帆と悠人、あたしはBクラス!」
あっ。また悠人と同じクラス。自分で振り分けたわけじゃないのに罪悪感が出てくる。
「わたしだけAクラス…」
汐里は肩を下げた。
「でも隣のクラスだし、休み時間はいつもみたいに話そうよ。」
ちょっと落ち込んでる汐里を、励ます。
「うん、絶対だよ?」
「当たり前でしょ。汐里のことだけ仲間外れにするわけないじゃん。」
「本当に仲良し姉妹だねぇ。」
美香があたしと汐里の間に割り込んでくる。
「俺、喧嘩してんの見たことないくらい仲良いよ、この二人。」
「そうなのー?」
「うん、真帆と悠人が喧嘩することはあったけど、真帆はいつでもわたしには優しいの。」
あたしが汐里に優しいのは、汐里が優しくて、寂しがりやで、傷つきやすいってことをよーく知ってるからだよ。