君の笑顔の理由になりたい。
第一章

4月8日 クラス替え

「おはよう、千里。今日も眠そうだね~。」

と笑いながら奈波が言う。

石川奈波(いしかわななみ)は私の救世主のような存在である。

意外に人見知りをする私にとって唯一の親友だ。



今日は4月8日。中学校生活最後のクラス替えの日だ。

「ちょっと昨日学校の宿題が終わらなくてさ。
ふわぁ~」

と私があくびをするとつられて奈波もあくびをした。

「今日はクラス替えだよ?
千里、あいつと同じクラスになれるといいね。」

と奈波がからかうような口調で言うと

「うるさいなぁ。
もうあいつのことなんて好きじゃないし。きっぱりと諦めましたから。」

私がそう言うと奈波は「どうかな~?」とでも言いたげな顔をして私を見た。
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