憧れの染谷くんは、いつも
からかいの言葉
・・・・・
(ーーやっぱり聞かなければよかった!)
いつものカフェで、私は紙ナプキンで口元を押さえながら後悔の念にかられていた。
思わず飲み物を吹き出しそうになった私を見た、室長の嬉しそうな顔と言ったら無い。
「室長、染谷くんをからかうのはやめてください!」
「あら、どうして? 私は思ったことを言っただけなんだけど」
松井さんも真っ赤、と、ふふふと笑う彼女の顔を見ていたら、何かとダブっていることに気付く。
(間違いない。邪悪な高瀬くんの笑顔と瓜二つ!)
付き合うと、どことなく似てくるのだろうか。長年連れ添った夫婦も似てくると言うし。
『染谷くんて、見かけに寄らず周りが見えなくなるタイプ? 松井一直線ね』
聞いたことは、本人には黙っておこう。そう決めた昼下がりだった。
終わり
(ーーやっぱり聞かなければよかった!)
いつものカフェで、私は紙ナプキンで口元を押さえながら後悔の念にかられていた。
思わず飲み物を吹き出しそうになった私を見た、室長の嬉しそうな顔と言ったら無い。
「室長、染谷くんをからかうのはやめてください!」
「あら、どうして? 私は思ったことを言っただけなんだけど」
松井さんも真っ赤、と、ふふふと笑う彼女の顔を見ていたら、何かとダブっていることに気付く。
(間違いない。邪悪な高瀬くんの笑顔と瓜二つ!)
付き合うと、どことなく似てくるのだろうか。長年連れ添った夫婦も似てくると言うし。
『染谷くんて、見かけに寄らず周りが見えなくなるタイプ? 松井一直線ね』
聞いたことは、本人には黙っておこう。そう決めた昼下がりだった。
終わり