憧れの染谷くんは、いつも
いつもより早い帰り道
・・・・・
「う……」
まぶたに眩しさを感じて目が覚める。窓の方を見ると、西日でカーテンが橙色に染まっていた。その色で、どうやら長い時間眠ってしまっていたらしいことに気付き、慌てて起き上がる。
お腹は、かなり楽になっていた。
もちろん染谷くんの姿はすでになかったが、代わりに私の通勤バッグが置いてある。わざわざ私の部署まで行って取ってきてくれたことに、申し訳なく思った。
バッグに近付くと、持ち手の部分に目立つように貼ってあった蛍光色のふせんに目が留まる。
『午後休にしてもらったから ゆっくり休んで』
ーー染谷くんらしい、優しい筆跡。
自分の体調管理もできないなんて社会人失格だ、と悲しくなったけれど、胸の奥で暖かい光のようなものを感じたのも事実だった。
医務室にいた看護師さんへお礼を言うと、私は身支度を整えてビルから出た。
お言葉に甘えて、今日はこのまま帰らせてもらおう。
「う……」
まぶたに眩しさを感じて目が覚める。窓の方を見ると、西日でカーテンが橙色に染まっていた。その色で、どうやら長い時間眠ってしまっていたらしいことに気付き、慌てて起き上がる。
お腹は、かなり楽になっていた。
もちろん染谷くんの姿はすでになかったが、代わりに私の通勤バッグが置いてある。わざわざ私の部署まで行って取ってきてくれたことに、申し訳なく思った。
バッグに近付くと、持ち手の部分に目立つように貼ってあった蛍光色のふせんに目が留まる。
『午後休にしてもらったから ゆっくり休んで』
ーー染谷くんらしい、優しい筆跡。
自分の体調管理もできないなんて社会人失格だ、と悲しくなったけれど、胸の奥で暖かい光のようなものを感じたのも事実だった。
医務室にいた看護師さんへお礼を言うと、私は身支度を整えてビルから出た。
お言葉に甘えて、今日はこのまま帰らせてもらおう。