憧れの染谷くんは、いつも
改めて、もう一度
・・・・・


「ーー今日はリフレッシュできた?」


駅までの帰り道、染谷くんにそう聞かれて、私は元気良く返事をした。


「うん! すごく楽しかった」

「それはよかった」


あんなに曇っていた空には、いつの間にか晴れ間が広がっていた。私は心の中で勝手に、染谷くんを晴れ男に任命しながら歩く。

遊歩道と公園が合わさったようなこの場所は、散歩にはぴったりだ。所々背の高い木が植えてあり、日なたと日陰のコントラストが綺麗だし、小さな噴水もある。横目で見ると、その噴水の前で子どもたちが遊んでいた。


「松井」

「なに?」


噴水の前を通り過ぎて少し経った頃。
名前を呼ばれて振り向くと、染谷くんが立ち止まっていた。私も止まって向かい合う。


「あらためて、言わせて。この前のは……どうしても俺が納得できない」

「この前?」


一体いつの何のことかと思いを巡らせていると、真剣な表情をした染谷くんと目が合って動けなくなった。
深呼吸をするような、小さく息を吸い込む音が聞こえる。


「ーー松井、俺と付き合って欲しい」

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