恋愛と失恋の果てに。
「でも、彼女との交際は、私も反対よ!
梨々花が可哀想だわ」
天宮麻梨子が梨々花ちゃんの名前を出してきた。
その名前に胸がドクンッと大きく高鳴る。
「……お前まで……」
「梨々花は、今大事な時期なのよ?
受験生として大事な時期にあまりあの子を
苦しめないでちょうだい。
すっかり塞ぎ込んじゃって可哀想で見てられなかったわ」
彼女の言葉にグッと歯を食いしばる課長。
まるで我慢しているように。
「……分かっている。だから
俺は、梨々花の幸せを想って彼女との関係を終わらせた。
どの道……彼女とは、特別何かあった訳じゃない。
あくまでも上司と部下の関係だ」
上司と部下の関係……。
課長の口から言われると余計ショックだった。
そうしたら天宮麻梨子は、
ハァッ……と深い溜め息を吐いてきた。
「そう……何もない間柄だったの。
それを聞いて安心したわ……」
えっ……?
「どう言うことだ……?」