恋愛と失恋の果てに。

「いや、当然のことをしたまでだよ。
それよりも……これからどうするんだ?
課長とのこと……」
心配そうに私に言う阿部さん。

これから……

そう考えると思い悩んでしまう。
会社に行けば嫌でも課長と一緒に仕事をしないといけなくなる。
会うのか……辛い。

そうしたら阿部さんが
「辛いなら仕事を辞めたらいい。
そして俺と結婚して専業主婦になってくれないか!?」
私の手を掴みながらプロポーズをしてきた。

阿部さんと結婚……

私は、その言葉に動揺する。

確かに阿部さんと結婚したら
優しくて私のことを大切にしてくれるだろう。
幸せになれるかもしれないけど……

簡単に乗り替えていいものだろうか?

無理だからって次の男性にとは、
私の中では、出来なかった。
そんなに早く……割り切れない。

返事に困っていると阿部さんは、
クスッと苦笑いする。
「そうだよな……すぐには、割り切れないよな。
でも俺は、もう遠慮しないから。
君の中から課長さんの存在を消すぐらい
俺頑張るから。だから前向きに考えてよ?」

「阿部さん……」

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