恋愛と失恋の果てに。
「どうして奥さんより遅くに出会ったんだろうね?こんなことなら
もっと早くに産まれたかった」
いや、早いからいいと言う問題じゃない。
奥さんが後だとしても
相手は、あの天宮麻梨子だ。
どの道、勝敗が見えていただろう。
結局馬鹿を見るのは、自分なのだ。
『何言ってるのよ。
まるで不倫しているみたいに。
それに早く…ううん。今のあんたには、どの言葉も
辛いだけよね。とにかく
今は泣きたい時に泣いちゃいなさい。なんなら
そっちに行こうか?』
さゆり……
「ごめん……さゆり……」
あぁ私は、本当にいい友人を持った。
辛い時にそばに居てくれる。
その日は、
さゆりが私の自宅に泊まりに来てくれた。
たくさん愚痴りずっと寄り添ってくれた。
しかし翌日。
私に異変が起きる。
「大丈夫?千奈美……」
朝起きたら身体中がダルくて起き上がるのも辛かった。
これだと会社に行けない。
「……うん。動くのも辛い」
「あんだけ泣いたからきっと疲れちゃったのね。
千奈美。今日は、会社休んだら?
どちらにしても行きにくいでしょう?」
さゆりがそう言ってくれる。