恋愛と失恋の果てに。

ど、どうしょう。課長からなんて!?
何て話したらいいか分からない。
それに……それに

そう思ったら激しい動悸に襲われる。
息が出来ないぐらいの動悸に胸が苦しくなる。

あまりにも苦しくて……そのまま倒れ込んだ。
だ、誰か……助けて。

さゆり……阿部さ……ん。


「……奈美。千奈美しっかりして!?」

真っ暗の中、誰かの声が聞こえた。
うっすらと目を開けるとさゆりの姿が見えた。

「さ……ゆり?」

「あぁ……良かった。
やっぱり様子が気になったから
引き返してきたのよ。
そうしたら倒れているんだもの。
一瞬寿命が縮んだわよ!?」
呆れながらもホッとした表情をするさゆり。

倒れた……?

あぁ、そうか。
課長からの電話に驚いて動揺していたら
動悸が激しくなって……あのまま倒れちゃったんだ。

「ごめんなさい……」
申し訳ないと思いながら起き上がる。
しかし今は、激しい動悸もなく何ともない。

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