恋愛と失恋の果てに。
さゆりの言葉に驚いたがホッとする自分もいた。
彼女の前向きで優しい言葉は、涙が出るぐらい嬉しかった。
「帰りにランチでも食べて行きましょう」
ニコッと微笑むさゆり。
「うん。」
私は、会計を済ませると近くの薬局で
薬を貰う。その後に近くのお店に入った。
お昼時なので、たくさんの人がランチを食べていた。
私とさゆりは、窓際の席に座ると注文をする。
すると近くにスーツ姿のサラリーマンがランチを食べていた。
あ、あの人……課長と背丈が似てるかも。
そう思ったらまた、動悸が激しくなってきた。
考えてみれば、会社を休んでも
同じ地域に住んでいるのなら何処で会うか分からない。今にだって……
もしかして課長と鉢合わせをするかも知れない。
考えれば、考えるほど動悸が激しくなり、気持ち悪くなってくる。
あれ……息ってどうやって吸うんだけっけ?
頭の中がパニックになってくる。
「千奈美!?ちょっと大丈夫?顔色が真っ青よ」
慌てて私の名前を呼ぶさゆり。
意識がぼんやりしてきた。
すると別の女性の声が聞こえてきた。
「だいじょうぶよ。声が聞こえる?
落ち着いて……ゆっくり深呼吸をしてみましょう」
その女性の指示に従い少しずつ深呼吸をする。
そうしたら落ち着いてきて
呼吸が安定してきた。