恋愛と失恋の果てに。
阿部さんの名前を呼んだ瞬間。
彼は、課長の頬を殴ってしまう。
えっ……!?
課長は、殴られ後ろに倒れ込む。
私も驚いていて唖然と見ていた。しかし
阿部さんは、ギロッと睨み付ける。
「今さら何しに来たんだよ?
あんた……元奥さんとやり直すんじゃなかったのか?」
阿部さん……。
「……何故それを!?」
驚いた表情をする課長。
私は、その表情になおさらショックを受ける。
やっぱり……そうなんだと改めて
実感させられる。
そうしたら課長は、ハッとした表情で私を見る。
「もしかして……君が休んだ原因は、俺なのか?」
ビクッと肩が震える。
私は、怖くて涙が溢れてきた。
「だとしたら、どうするんですか?」
代わりに言う阿部さん。
「…………。」
課長は、黙ったまま立ち上がる。
口元についた血を拭う。