恋愛と失恋の果てに。
「あの……もしかして梨々花ちゃんだよね?
佐々木課長の娘さんの?」
私は、恐る恐る近寄り声をかけてみた。
するとジロッと私を睨んでくる。
「……おばさん。誰?パパの知り合い?」
ガーン!!
おばさんと言われちゃった……。
まだ25なのに。
「えっと……お父さんである佐々木課長の部下の
尾野千奈美です」
ショックを受けながらも自己紹介をする。
するとジロジロッと私を見るなり
「珍しい。パパ……この人に私のことを
話しているんだ?
本当にただの部下の間柄なの?」
そう言い放ってきた。
どう考えても疑われている。
課長との関係を……。
どうしょう。さすがにあなたのお父さんに
片思いしてるとは言いにくいし……。
「えぇ、ただの部下よ。
この前、梨々花ちゃんと課長……あなたのお父さんが
一緒に居るのを見かけて尋ねたら娘だと教えて下さったの」
嘘は、言っていない。
ただ援交だと勘違いして忠告をしてしまったことを
除けば……。
「ふーん。まぁどうでもいいけど。
名前呼びとかちょっと慣れ慣れしいよ。おばさん」
興味無さそうにスマホを見ながら言う梨々花ちゃん。
また、おばさん!?