恋愛と失恋の果てに。

阿部さんの実家が経営している会社が
どんなところか分からないけど本来なら
とてもありがたい話だろう。

しかし私は、迷っていた。

本当に転職をしていいものなのだろうか?
課長とこれからも会社の上司と部下として
付き合って行くには、しんどいだろう。
克服出来るか分からないし……逆に病気が
酷くなっていくかも知れない。

でも、課長と二度と会えなくなってしまう。

会えば、こんなに苦しい思いをするのに
離れると考えると寂しくなってくる。
自分の中でも矛盾しているのが分かる。

私は、一体どうしたいのだろうか?

すると阿部さんは、私の手をソッと握ってくる。
「まだ迷いがあるかも知れないけど
俺は、君と一緒に働きたい。前は、結婚して
専業主婦になってくれと言ったけど今は、
共働きなんて珍しくない時代だからね。1つの
選択肢として考えておいて」

照れたように笑う阿部さん。
私のことを真剣に考えてくれてるのが分かる。

それも1つの選択肢か……。

その夜。私は、
この事をさゆりに話した。

「えぇっ!?そんな修羅場があったの?
ちょっと、それ凄いじゃん。
阿部さんってカッコいい~!!いいじゃない。
転職。私は、大賛成よ」
アッサリと賛成してくれる。

< 140 / 235 >

この作品をシェア

pagetop