恋愛と失恋の果てに。
酷い……。
でも見事なツッコミに思わず笑ってしまう。
『そんなの押し倒すぐらいの勢いで
行けばいいのよ!』
「え~無理だよ。さゆりじゃないんだから」
『失礼ねぇ~私がいつ男に押し倒したと言うの?
あ、あるか……』
「アハハッ……あるんだ!?」
さゆりとのやり取りは、楽しい。
言いたいことは、言えるし何より大切な存在だ。
「ありがとう」
さゆりにお礼を言うと
なら、ささっとくっつけと言われた。
毒舌なさゆり様だった。
しかし、問題なのは……辞表を出すことだった。
辞表を出すには、課長に提出しないといけない。
一度も会社に出勤できない上に
課長に直接会うのが怖い。
駅のこともあるし……顔を合わせづらい。
どうしょう……お母さんに代わりに行ってもらおうかしら?
でも、いい大人が辞表を親に持って行ってもらうなんて恥ずかしいし……。うーん。
このままだと会社を辞めることも出来ない。
思い悩みさゆりに相談すると
阿部さんに相談してみたら?と言われた。
何故そこに阿部さんなのか分からなかったけど
仕方がなく電話で彼に相談することにした。
そうしたら一緒に付き添ってくれると言ってきたじゃないか。
「えっ?でも……ご迷惑じゃあ?」