恋愛と失恋の果てに。
つまり梨々花ちゃんは、私のことを
警戒してあんな生意気な態度を取ったのだろう。
お父さんを取られると思い。
確かに私は、警戒されても仕方がない。
大好きなお父さんに好意を持ち始めたのだから。
ズキッと胸が痛む。
それは、それで悲しい……。
しゅんとしてると課長が私に気づいた。
「おい、尾野。お前もそこに居たのか?」
ビクッ!!
課長……気づくのが遅いですよ。
今さら気づかれるなんて
なおさらショックを受けた。
「あ、お疲れ様です……課長」
「まだ帰ってなかったのか?」
「これから帰るつもりで居たら
梨々花ちゃんが居たので声をかけていたんです」
警戒をされてしまったけど……
しかも、まだ帰ってなかったのかって……酷い。
さらにしゅんと落ち込んでしまう。
すると梨々花ちゃんが
「ねぇパパ早く行こう。私お腹空いた~」
そう言って課長の腕を掴む。
「あぁ、分かった。分かった。
じゃあ尾野。また明日会社でな。お疲れ」
課長は、そう言うと梨々花ちゃんを連れて
行ってしまった。
ポツンと取り残される私。