恋愛と失恋の果てに。

えぇっ!?と思ったが不思議と嫌じゃなかった。
課長が見ているにも関わらず。

小会議室に行くと
私は、課長に必要な書類を渡される。

「これにサインと実印を押せ。
返却するものだが……」
詳しく説明される。
私は、これが課長との最後になるんだ……と思った。
初めて課長のことを見た時は、凄く怖くて
苦手な人だと思った。

たくさん怒られ……学んだ。

まさか、そんな人に好きになるなんて
夢にも思っていなかった。
でも、それは……叶わない恋。

いくら課長のことが好きになっても
届かなかった……。

「尾野?おい、尾野。
ちゃんと聞いているのか!?」

ハッ!!
いけない……つい昔のことを思い出していたわ。

「す、すみません」

すると課長は、深い溜め息を吐いた。
「尾野……お前が辞める理由は、
俺が原因なんだろう」
その言葉にビクッと反応する。

「それは……」

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