恋愛と失恋の果てに。

しかし恵斗さんにしたら
それが不思議で仕方がないらしい。
「マジかよ……兄貴相手に別の奴を選ぶとか
信じられん。大抵顔に惚れて猛アタックしてきたり
告白してくる馬鹿女ばかりなのに」

そうなんだ……?
馬鹿女扱いするのは、失礼だと思うけど

まぁ、あれだけのイケメンなんだから
女性がほかっておく訳がないわよね。
そう言えば……阿部さんの女性関係ってどんなのだろう?

前に自分の強引な性格が原因で
別れたとか言っていたけど……?

「阿部さんってモテそうですものね」

「そりゃあ、当たり前だろ。俺の兄貴だし 
まぁ、大抵あまり長く続かなかったけど……」
そう言う恵斗さん。

「どうしてですか?」
私は、気になって仕方がない。

すると恵斗さんは、
「そんなの外見しか見てないからだろ。
ちょっと強引や外見と違うことをすれば
イメージと違うなどと好き勝手言ってきやがる。
自分の理想を押し付けてくるし」

「まぁ、俺も外見しか選んでないし
お互い様だけど……」
思い出したかのように話してくる。

阿部さん……お兄さんのことを聞いていたはずが
いつの間にか恵斗さん自身の話になっていた。
だが、サングラスをかけているが
眉を曇らせているのが分かった。

まるで自分に言い聞かしてような
複雑な表現をしているように感じた。

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