恋愛と失恋の果てに。
デートに誘いたい。
付き合ってもいないのだから仕方がないのに
ズキッと胸が痛み切なくなってきた。
課長は、梨々花ちゃんの父親。
それは、紛れもなく真実だけど……私は、
どうしたらいいの?
どうしたら課長に少しでも近付ける……?
自分に問いかける。
するとスマホが突然鳴り出した。
ビクッ!!
だ、誰?
急になったから驚いてしまったじゃないか。
カバンからスマホを取り出して見てみると
親友のさゆりだった。
電話に出てみる。
『もしもーし千奈美。今何処に居るの~?』
ずいぶんとハイテンションな声ね。
「今会社の下に居るわ。
仕事がさっき終わったばかりなの」
『そうなの?じゃあこっちに来なさいよ!!
今駅前にある焼き鳥屋で居るから』
そう言い私を誘ってくれた。
どうやら先に行って酔っぱらっているようだ。
相変わらずねぇ~さゆりは。
「はいはい。今そっちに行くから
あんまり飲み過ぎないようにしてよ」
溜め息を混じりに言うと電話を切った。
またグッドタイミングに電話が来たものだ。
お酒でも飲んでさゆりに愚痴を聞いてもらおう。
そして私は、どうしたらいいか聞いてみよう。
これから、どうしたらいいのか……。
私は、駅近くにある焼き鳥屋に向かった。
中に入って行くとすでに出来上がったさゆりが居た。